家父長制の起源
男たちはいかにして支配者になったのか

著者:アンジェラ・サイニー
解説:上野千鶴子
訳者:道本美穂

《各界から絶賛の声、多数!》
家父長制は普遍でも不変でもない。
歴史のなかに起源のあるものには、必ず終わりがある。
先史時代から現代まで、最新の知見にもとづいた挑戦の書。
――上野千鶴子氏(社会学者)

男と女の「当たり前」を疑うことから始まった太古への旅。
あなたの思い込みは根底からくつがえる。
――斎藤美奈子氏(文芸評論家)

人類史を支配ありきで語るのはもうやめよう。
歴史的想像力としての女性解放。
――栗原康氏(政治学者)

家父長制といえば、 “行き詰まり”か“解放”かという大きな物語で語られがちだ。
しかし、本書は極論に流されることなく、多様な“抵抗”のありかたを丹念に見ていく誠実な態度で貫かれている。
――小川公代氏(英文学者)



男はどうしていつも偉そうなのか。
なぜ男性ばかりが社会的地位を独占しているのか。
男が女性を支配する「家父長制」は、人類誕生の時から続く不可避なものなのか?

これらの問いに答えるべく、著者は最新の科学、考古学、人類学などの成果をもとに歴史をひもとき、世界各地を訪ねながら、さまざまな「家父長制なき社会」を掘り下げていく。
徹底した取材によって人々の思い込みをくつがえした結果、見えてきたものとは……。
「抑圧」の真の根源を探りながら、未来の変革と希望へと読者を誘う話題作!

《世界各国で話題沸騰!》
WATERSTONES BOOK OF THE YEAR 2023 政治部門受賞作
2023年度オーウェル賞最終候補作


明晰な知性によって、家父長制の概念と歴史を解き明かした、息をのむほど印象的で刺激的な本だ。
――フィナンシャル・タイムズ

希望に満ちた本である。なぜかといえば、より平等な社会が可能であることを示し、実際に平等な社会が繁栄していることを教えてくれるからだ。歴史的にも、現在でも、そしてあらゆる場所で。
他の文化の視点から物事を見ることで、私たちの生き方がまったく異なる光の中で明らかにされるのだ。
――ガーディアン

サイニーは、この議論にきらめく知性を持ち込んでいる。
興味深い情報のかけらを掘り起こし、それらを単純化しすぎずに、大きな全体像にまとめ上げるのが非常にうまい。
――オブザーバー

書籍データ

発売日
2024/10/25
ページ数
416ページ
定価
2,530円(10%税込)
ISBNコード
978-4-08-737006-5
  • アンジェラ・サイニー
    科学ジャーナリスト。オックスフォード大学で工学、キングス・カレッジ・ロンドンで科学と安全保障の修士号をそれぞれ取得。オックスフォード大学・キーブルカレッジ名誉フェロー。マサチューセッツ工科大学院非常勤講師。BBCやガーディアンなど英米の主要メディアに多数出演、寄稿。主な著書に『科学の女性差別とたたかう――脳科学から人類の進化史まで』『科学の人種主義とたたかう――人種概念の起源から最新のゲノム科学まで』など。
  • 上野千鶴子(解説)(うえの・ちづこ)
    社会学者。京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『家父長制と資本制』『女ぎらい』『近代家族の成立と終焉 新版』『おひとりさまの老後』『情報生産者になる』など多数。
  • 道本美穂(訳)(みちもと・みほ)
    英語翻訳者。東京大学文学部社会学科卒業。大手通信会社勤務を経て独立。主な訳書に『失われた報道の自由』『地獄への潜入』『トマトの歴史』、共訳書に『告発――フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル』など。

書評掲載案内

  • 週刊文春 2025年1月30日号/安藤優子
  • 日本経済新聞電子版2024年10月12日
  • 北海道新聞DIGITAL 2024年9月29日

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