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レジリエンスの時代

再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換

著者:ジェレミー・リフキン
訳者:柴田裕之

再野生化する地球で、人類が生き抜くためには、経済・政治・社会の大転換が必要だ。地球を人類に適応させる「進歩の時代」から人類が地球に抵抗し、自然界と共存する「レジリエンスの時代」へ。世界的な経済社会理論家が描く、危機脱出のための処方箋!

絶賛!
我々の生命観まで揺さぶる名著。
これで「より速く、より遠く」の強欲搾取主義から脱却できる。
――水野和夫(『資本主義の終焉と歴史の危機』)
「人新世の危機」を解決する、コモン型経済のリアルな姿がここに。
――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』)

自然の復讐を乗り越える、「共生」の経済システム
これまでの「進歩の時代」において人類は、地球の恵みを収奪し、商品化し、消費を最大にして生きてきた。だが、無限の成長と超効率化を絶対視したせいで、環境危機と地球温暖化が発生。洪水、干ばつ、熱波、山火事、台風が、生態系とインフラを破壊し、人類の生存を脅かしている。この危機を脱するために必要なのは、「レジリエンスの時代」への大転換。地球を人類に適応させるのではなく、人類を地球に適応させるのだ。自然と共感的に関わるためには、経済・政治・社会の見直しが必須。科学技術にも精通した世界的な経済社会理論家が、未来への処方箋を示す!

書籍データ

発売日
2023/9/26
ページ数
464ページ
定価
3,080円(10%税込)
ISBNコード
978-4-08-737002-7
【目次】
  • 第1部:

    効率vs.エントロピー ――近代の弁証法

    • 第1章

      マスクと人工呼吸器とトイレットペーパー――適応力は効率に優る

    • 第2章

      テイラー主義と熱力学の法則

    • 第3章

      現実の世界――自然界の資本

  • 第2部:

    地球の財産化と労働者の貧困化

    • 第4章

      大転換――時間と空間の地球規模の囲い込み

    • 第5章

      究極の強奪――地球のさまざまな圏と遺伝子プールと電磁スペクトルの商品化

    • 第6章

      資本主義の矛盾――効率性の向上と労働者の減少と消費者債務の増加

  • 第3部:

    私たちはどのようにしてここに至ったか――地球上の進化を考え直す

    • 第7章

      生態学的自己――私たちの一人ひとりが散逸のパターン

    • 第8章

      新たな起源の物語――生命を同期させ、形作るのを手伝う生物時計と電磁場

    • 第9章

      科学的方法を超えて――複雑で適応的な社会・生態系をモデル化する

  • 第4部:

    「レジリエンスの時代」――「工業の時代」の終焉

    • 第10章

      レジリエンス革命のインフラ

    • 第11章

      バイオリージョン(生命地域)統治の台頭

    • 第12章

      代議制民主政治が分散型ピア政治に道を譲る

    • 第13章

      生命愛(バイオフィリア)意識の高まり

【プロフィール】
  • ジェレミー・リフキン
    経済社会理論家。欧州連合、中国、メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを歴任。経済・社会・科学技術を分析し、未来構想を提示する手腕への評価が高く、アメリカ政府の政策形成にも大きな影響力をもつ。経済動向財団会長及びTIRコンサルティング・グループ代表。ペンシルヴェニア大学ウォートンスクール上級講師。『限界費用ゼロ社会』、『エイジ・オブ・アクセス』、『第三次産業革命』などが世界的ベストセラーに。一九八〇年代から気候変動の危機を訴えるなど先見性にも定評がある。
  • 柴田 裕之 (しばた やすし)
    翻訳家。早稲田大学、アーラム・カレッジ卒業。訳書にジェレミー・リフキン『限界費用ゼロ社会』、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』『ホモ・デウス』、ニーアール・ファーガソン『大惨事 (カタストロフィ)の人類史』ほか話題書多数。