社会の分断を乗り越えるために、
知の共通基盤〈コモン・グラウンド〉を。

コモンの「自治」論

斎藤幸平 松本卓也 白井聡 松村圭一郎 岸本聡子 木村あや 藤原辰史

『人新世の「資本論」』、次なる実践へ!
斎藤幸平、渾身のプロジェクト

戦争、インフレ、気候危機。資本主義がもたらした環境危機や貧困格差で、「人新世」の複合危機が始まった。国々も人々も生存をかけて過剰に競争をし、そのせいでさらに分断が拡がっている。崖っぷちの資本主義と民主主義。この危機を乗り越えるには、破壊された「コモン」(共有財・公共財)を再生し、その管理に市民が参画していくなかで、「自治」の力を育てていくしかない。『人新世の「資本論」』の斎藤幸平をはじめ、時代を背負う気鋭の論客や実務家が集結。危機のさなかに、未来を拓く実践の書。

書籍データ

発売日
2023/8/25
ページ数
288ページ
定価
1,870円(10%税込)
ISBNコード
978-4-08-737001-0
【目次】
  • はじめに:

    今、なぜ〈コモン〉の「自治」なのか?
    斎藤幸平

  • 第1章: 

    大学における「自治」の危機
    白井 聡

  • 第2章: 

    資本主義で「自治」は可能か?
    ──店がともに生きる拠点になる
    松村圭一郎

  • 第3章: 

    〈コモン〉と〈ケア〉のミュニシパリズムへ
    岸本聡子

  • 第4章: 

    武器としての市民科学を
    木村あや

  • 第5章: 

    精神医療とその周辺から「自治」を考える
    松本卓也

  • 第6章: 

    食と農から始まる「自治」
    ──権藤成卿自治論の批判の先に
    藤原辰史

  • 第7章: 

    「自治」の力を耕す、〈コモン〉の現場
    斎藤幸平

  • おわりに:

    どろくさく、面倒で、ややこしい「自治」のために
    松本卓也

【著者略歴】
  • 斎藤幸平(さいとう・こうへい)
    経済思想家。『人新世の「資本論」』で新書大賞受賞。
  • 松本卓也(まつもと・たくや)
    精神科医。主な著作に『創造と狂気の歴史』など。
  • 白井聡(しらい・さとし)
    政治学者。『永続敗戦論』で石橋湛山賞受賞。
  • 松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)
    文化人類学者。『うしろめたさの人類学』で毎日出版文化賞特別賞受賞。
  • 岸本聡子(きしもと・さとこ)
    杉並区長。主な著作に『水道、再び公営化!』など。
  • 木村あや(きむら・あや)
    社会学者。Radiation Brain Moms and Citizen Scientistsでレイチェル・カーソン賞受賞。
  • 藤原辰史(ふじはら・たつし)
    歴史学者。『分解の哲学』でサントリー学芸賞受賞。